応募期間
2022年12月1日 - 2023年1月31日
第1回 IGGネイチャーフォトコンテスト2022
IGGネイチャーフォトコンテスト2022
① テーマ「ネイチャーと光」(風景や野生の動植物、ネイチャーに含まれる全ての要素を光と空間を意識して写した作品。)
② 原則として本人が撮影したカラー写真に限ります
※過去の作品でも可。
※人工物が写り込んでいても大丈夫です。
③ 5枚1組として応募してください。1人1回まで応募可。
1回目の開催で、短い募集期間にも限らず、全国より沢山のご応募をいただきました。
どの作品もクオリティーが高く、選考の決め手となるのはこの規格の趣旨と合っているかという部分でした。
展示を前提に5枚1組で構成するという条件は非常に難易度が高く、作品どうしのバランスが特に重要なポイントとなります。
受賞されたの皆様の作品からは、5枚での世界観の作り方に特別性を感じました。
ギャラリー主催ならではの、新たなフォトコンテストの華々しい始動です。
審査員長:写真家・瀬尾拓慶
展示・授賞式の様子
受賞者・作品一覧
応募総数76名の中から受賞した作品
最優秀賞
佐々木 椋子
講評 / 使用機材
[審査員講評]
この第一回ネイチャーフォトコンストに於ける選考基準の要素として、まずはテーマの「ネイチャーと光」がしっかりと表現できているか、そして5枚1組の中で作品どうしが相乗効果としてお互いを引き立て合っているかを見ています。 当コンテストの特徴である複数枚での組作品とは、ギャラリーでの展示を想定して選出してほしいという意図があります。
佐々木さんの作品はそれぞれの光の捉え方が美しく、5枚をわかりやすい形での季節でまとめています。
そのため、小さな作品展としてシンプル且つ誰もが一瞬で理解する事ができる組み合わせとなっています。
また、佐々木さんの作品からは多くの撮影現場に赴き、美しい光を探求して追求している事が伺えます。
苔の森から光差す渓谷、凍りついた滝など、様々なシチュエーションを撮る努力が垣間見える点も評価ポイントです。
写真を撮る上で重要な事は、自分が目の前の光景をどのように捉え、切り取り、何を残したいかをイメージする事です。
そして最終的なアウトプットを自分の理想に持っていく為に、必要なことを如何にこなせるか。
それが大切です。
荒削りな部分もありますが(レタッチによる処理のクオリティー等)、その痕跡もなんとしても出会った光景を残すという工夫をした証拠として捉えました。
作品の完成度、シチュエーションの選び方、光を意識し追求している事、展示を意識したセレクト等が総合的な評価として高いため、記念すべき第一回目のこのフォトコンテストに於ける最優秀賞として、佐々木さんを選出いたしました。
[使用機材]
・Nikon D850
・Nikon D810
・Nikon AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED
・Nikon AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR
・SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM |
Contemporary C017
・SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM |
Contemporary C015
・TAMRON SP15-30mm F/2.8 Di VC USD
(Model : A012)
・Gitzo GT3532(三脚)
優秀賞
金井塚 岳流
コンセプト / 講評 / 使用機材
[コンセプト]
東京を中心として世界有数の都市である「首都圏」。
首都圏を形作る「荒川」と「多摩川」という河川の源流から下流域を追いかけることで、
都市と自然の関係性のグラデーションを5枚の写真で表現した。
[審査員講評]
身近な環境を追求する。
これはフォトグラファーにとって一つの研究テーマになり得ます。
どうしても作品を撮る為に遠征をしたくなってしまうものですが、金井塚さんは身近と言える範囲内に於ける自然と光を追求しているとのこと。
今回のセレクトは鳥の作品が全体の中で目立っており、展示した際に流れを遮ってしまっているのではと感じることもあるかもしれません。
ですが、展示の方法、考え方等によっては必ずしもその流れを綺麗に維持する必要はありません。
金井塚さんの展示コンセプト「身近な自然の光」は、見る側の人間の周りにもこのような光景があるのでは無いだろうか、撮影してみたい、と思わせてくれる魅力が閉じ込められています。
クオリティーもとても高く、特に雪が舞う森の作品の繊細さは心を惹きつけて離しません。
また、光り輝く川と鳥の羽ばたきは弊社の投票に於いても多くの票を得ました。
その他3点も一見地味に思えますが、展示の中でメインとなり得る作品の補助としても上手く機能しており、作品としても繊細で素晴らしいです。
全体的な作品の完成度、セレクト(コンセプト)が高く評価されました。
[使用機材]
・CANON EOS R5
・EF 24-70mm F2.8L II USM
・EF 70-200mm F2.8L IS II USM
・Voightlander NOKTON Classic 40mm F1.4 MC
・α6700
・TAMRON 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD
作品説明
多摩川源流の笠取山の山頂。
霧に包まれる山頂を朝日が照らしだし、木々に多摩川はじまりの一滴が輝いている。
作品説明
下流域となる埼玉県川島町越辺川。
高速道路が走り、物流倉庫が建ち並ぶすぐ裏にもドラマチックな野生が息づいている。
作品説明
埼玉県横瀬町、二子山山中。
荒川水系中流域の谷筋。付近には石灰岩の一大採掘地として知られる武甲山や、冬の観光名所として知られる芦ヶ久保の氷柱で人の営みが近づいてくる。
そんな場所で冬のわずかな瞬間だけに見られる霧氷のきらめきが美しい。
。
作品説明
荒川源流、甲武信ヶ岳山頂付近。
西から登ってくる雲を受け止め森は潤い、こぼれる雫が谷を穿つ。
作品説明
荒川上流域、三峯神社奥宮への参道。
山深く厳しい寒さに覆われる場所だが、信仰の道として人の営みが見える。
優秀賞
都築 篤史
コンセプト / 講評 / 使用機材
[コンセプト]
企画趣旨にあります美しい自然を大切にすることへの関心や、プリントをすることの喜びは日頃から私もとても大切なことだと感じています。
私は日頃森の中に入り込んで自然風景を撮影していますが、撮影をして行く・中でそれまでは触れてこなかった自然に触れることができました。
自然は時に厳しく、時に優しく、私達のそばに寄り添っていることをカメラを通して知りました。
意外と身近なところにある自然から、私達が普段足を踏み入れないような奥深いところまで、全てを大切にしていきたいと実感しております。
また実際に撮影した写真をプリントアウトしていくこともデジタルが旺盛の現代においてあまり積極的に行っている人は少ない印象です。私もカメラを始めて3年ほどは画面の中で楽しむだけでした。
ふと思い立ってお店にプリントを依頼して自身の作品を手にとったときに嬉しくて興奮して震えたことを今でも覚えています。
写真を始めた当初は光を意識することが特になく、ただ綺麗だから撮る、形が特徴的だから撮るという撮影をしていました。
人の写真を見ていても漫然と見ていくばかりでした。
そうした中で瀬尾先生の作品に出会い、考えに触れ、写真における物語と光の大切さを学び感銘を受けました。
森と美しい光に関心を持った大きなきっかけの一つに瀬尾先生の写真があり、光を意識して撮り始めてから写真の面白さや美しさに惚れ、どんどんと写真にのめり込んでいきました。
その瀬尾先生の主催するフォトコンテストということで是非とも参加させていただきたいと感じました。
今回のフォトコンテストでは森に入りこんで撮影した5枚の写真を選出し応募いたしました。
テーマは「生命の語らい」
[審査員講評]
森の光。
それは、人の心を掴んで離さない特別なもの。
奥深く霧に包まれる日本の森の姿は格別に美しい。
都築さんの作品は、その静寂さの中に溢れんばかりの木々の力強い生命力を感じ取る事ができます。
全倍サイズで展示している作品は特に素晴らしいです。
手前の枝から左側の太い木へ、そして奥の倒木へと視線が誘導される為、静の中に動を上手く共存させる事ができています。
構図の妙とは正にこの事。
奥の倒木から先の空間もまた美しいです。
また、私個人としてもとても好きな作風です。
5枚揃った際のメリハリという面においては少し弱いですが、それを補って余るほどの、この森へといざなわれるような神秘的で不思議な感覚が魅力的です。
全体的なクオリティーとしては、更に突き詰めることによりもっと昇華させる事ができる余地を十分に残しています。
だからこそ、撮り続けて、この世界観を更に発展させていただきたいと思います。
[使用機材]
・PENTAX 645Z,
・K-1markⅡ
・FUJIFLM X-T3
・HD PENTAX-DA645
・28-45mmF4.5ED AW SR
・smc PENTAX-FA645 80-
160mmF4.5
・HD PENTAX-D FA★70-
200mmF2.8ED DC AW
・・FUJIFILM XF16-80mmF4 R OIS WR
作品説明
「求命」
かなりの強い風雨が日頃から吹き荒ぶ森で、新たに育ち始めた木が早くも風に押されて倒れていました。
倒れながらも必死に奥の光に手を伸ばしている姿が印象的で、その枝枝はまるで手のように見えてもがいている様にも見えましたが、それでも尚生きようとしているその姿に力強さと儚さを感じました。
作品説明
「受継」
太く腕を幾重にも伸ばした木、その横に生える若く新しい木と、その傍らに折れて息絶えてしまった木が囲まれて2本に寄り添ってもらうように倒れていました。
志半ばで息絶えた木がこれまでの同士と新しく生えてきた若い木に思いを託すかのような優しい情景に息を呑み、シャッターを切りました。
作品説明
「守護神」
この森の一つの象徴とも言える大きなブナを撮影した写真です。
この森は風が強く吹き荒れる森で、成長している中で途中で大きく折れながらも幾重にも腕を伸ばして天を目指すその姿はこの森を護っているかのように感じ、またその姿が霧を纏うことでとても神々しく感じました。
作品説明
「加護」
森の中にひっそりと寄り添うように咲くヨメナという花が、木の腕でそっと抱きしめられるように守られるようにしている姿が印象的でした。
激しく吹き荒れる風に守られながら左上から優しく降り注ぐ光に強く優しく育ってほしいという森の祝福を受けているように感じました。
作品説明
「紡命」
早朝の森の中に光芒が差して、一瞬でしたが蜘蛛の巣に光が当たることで蜘蛛の巣が輝いている姿に生命の力強さを感じました。
森は生きていて、そこに生きる小さな命が確実に森を紡いでいくこと、またその美しさをこのシーンを見て実感しました。
佳作
門間 龍一
作品説明
多摩川沿いを散策していて出会った木。
場違いにも思える姿が印象的だった。
広角でダイナミックに、夕日が光芒になるようにしっかり絞り込んで撮影した。
良い雲の具合、葉の緑、枯れ草の黄金色、木のディテールや、幹に生えたキノコ。
様々な要素を一枚に写すことができた。
実は撮影時、上記のような細部の多くに気づかなかったが、良いと思ってシャッターを切った直感、この写真をセレクトした感覚を大事にしなければと思わせてくれた写真となった。
[使用機材]
FUJIFILM X-H1
佳作
工藤 隼人
作品説明
この作品は僕の地元である青森県で撮影した作品であり、青森県の中央に位置する八甲田山系の主峰、大岳の山頂直下からの眺望です。
仙人岱と呼ばれる湿原を一望することができますが、大岳山頂地点ではこの日は分厚い雲に覆われていました。
しかし、ほどなくして強風が吹きすさび、もしやと思い撮影地点へ向かってみるとちょうど作品のような光景が眼前に広がっていました。
稜線を中心に確認できる湿地帯部分と森とのコントラスト、淡く広がる光のグラデーション。
湿地帯手前に見える登山道と、そのさらに奥に広がる道なき湿地帯、仙人岱。
まさに仙人がいても納得できる美しさと神秘性を垣間見できる瞬間を、幸運にも捉えることができました。
[使用機材]
・Nikon Z7II(当作品での使用機材)
・Nikon Ai nikkor 50mm f1.4s
・Nikon D200(メイン機材)
・135判 フィルム一眼カメラ
・645判 フィルム一眼カメラ
レンズ
・Nikon DX 40mm f2.8 マクロ
佳作
貫井 大輔
作品説明
この作品は、都内の河川敷に生えていたひっつき虫(コセンダングサ)に冬の朝日がさし込んだところを撮影したものです。
朝日の逆光を受けてトゲが黄金色に輝いているところを、背景のボケを意識しながら超望遠で切り取っています。
ひっつき虫のように身近に存在する何気ない自然に着目し、時折みせる美しい姿を表現しました。
[使用機材]
・Canon EOS R7
・SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM(当作品での使用機材)
・FUJIFILM GFX 50SⅡ,
・GF35-70mm F4.5-5.6 WR
等
佳作
渡辺 亮太
作品説明
私の撮影スタイルは基本何も決めずに森や山に入り、その日、その場所、その瞬間に出会った惹かれるものを切り取っています。
それは小さな冒険であり、宝探しでもあります。
この作品はそんな私のスタイルを表していて、鬱蒼と茂る木々の隙間からキラリと光る宝物を見つけた。
そんな表現の作品です。
[使用機材]
FUJIFILM X-T4
佳作
入江 遼平
佳作
飯田 直樹
佳作
渡辺 凜太郎
- ご協賛企業様 第1回 2022年度(五十音順)
- アピオ株式会社
- 有限会社 イマジン・アートプランニング
- ウエスタンデジタル合同会社【サンディスク】
- 一般社団法人 ウッディーラー豊田
- NiSi Filters Japan
- HAKUBA写真産業株式会社
- カメラメーカーR社
- 日吉アートコンテスト実行委員会
- 日吉アートフェス実行委員会
- プロラボ・ホワイトアース
- 株式会社 丸紅フットウェア【MERRELL】